操作イメージ

ここでは VisiMix のシミュレーションがどのように実施されるかを説明します。

1. 対象となる系を明らかにする
VisiMix のシミュレーションは槽内流れの Re 数により適用されるソフトウェアが異なります。
そのため、シミュレーションの実施前に対象となるプロセスの情報を整理し、使用するソフトウェアを決定します(重合反応の進行など粘度変化が伴うプロセスの場合、複数のソフトウェアを使用します)。

また、シミュレーションを有効に用いるためには、解析の目的や結果の許容範囲を明確にすることが重要です。
例えば:

• 均一な混合を得たい場合  循環流量, 流れパターンを評価します。
• スケールアップ評価  同程度の分散を得られる量産機を選定します。動力数などの撹拌特性を評価する他、
プロセスによって評価するパラメーターとその範囲は異なります。
また、プロセス時間、モーター動力などが実用的な範囲を越えないよう考慮します。
• 高粘度液用の装置を評価  混合性能の評価のほか、低粘度液用の装置よりも撹拌トルクが大きくなるため
装置の機械強度に留意します。(翼先端速度に着目、シャフトの機械的強度を評価。)
• CFD 条件の決定  CFD シミュレーションのための境界条件、形状および初期条件などを提案します。
例えば、ボルテクスの形状の提供、壁面伝熱条件の決定などが可能です。

のように、シミュレーションの目的によって着目する計算結果は異なります。

2. シミュレーションの実施
タンク、バッフル、撹拌翼等の機器形状は、あらかじめソフトウェアに実装されているライブラリから選択し、機器のタイプごとに規定されている寸法情報を入力してモデル化します。

VisiMix の基本的なシミュレーションに必要な物性は、溶液の密度と粘性です。粘性には非ニュートン流体の指定を行うこともできます。

基本的なシミュレーションでは、撹拌動力、吐出性能、せん断の強さ、マクロ混合/ミクロ混合の時間など装置設計の指針となるパラメータの確認ができます。
異相混合、伝熱、反応などの指定を行いシミュレーションを拡張すると、より精度の高い解析を実現できます。