【Fathom】セントラルヒーティングサイクルのモデル化
発電所のコジェネレーションプラントでの事例です。排熱の状況と熱需要によって決まる様々な運転条件を検討するためにシナリオマネージャーを大いに活用しています。
課題
熱電併給プラントの設計において、セントラルヒーティングサイクルのシミュレーションツールとして Fathom が採用された事例です。
この設備は 180 MW の電力を生産し、プロセスからの廃熱や天然ガス発電プラントといった複数の熱源を活用した 260 MW の地域熱供給を行っています。
Fathom はポンプ、熱交換器、制御弁の選定、設計要件を満たす配管サイズの検証に使用されました。
分析
プラントは、3 つの生産工場、ダム、廃棄物焼却施設、下水処理場を含む地域産業プロセスから発生する排熱をヒートポンプによって利用しています。 産業用熱回収システムは 3 台のポンプと 6 台の熱交換器で構成されています。 これらの熱源からの復水は、施設のガスタービンで発生した蒸気の凝縮に使用されて更に熱を回収します。 これはタービンの動力サイクルにとって重要な工程です(図 1)。
タービンから熱を取り出す系統の下流では、二次側水系が 3 台のポンプと 5 基の熱交換器によって、サイクルからの熱を地域熱供給ネットワークへ供給しています(図 2)。
夏季または過剰な熱が発生する場合、水は空冷システムへ切り替えられて余剰な熱を放散します。

蓄熱システムは 50,000m³ のタンクで構成され、熱回収用ポンプへの追加圧力を付与してキャビテーションを防止するとともに、 地域熱供給システムの加圧源、さらに、緊急熱供給源として温水の一部を直接供給する役割を担います。 また、サイクルからの熱は、天然ガスのプレヒーター、構内暖房、防氷設備などの補助システムにも供給されます。
ソリューション
本システムは蓄熱サイクルと熱を取り出すサイクルを含む複数の運転サイクルで構成されています。 Fathom のシナリオマネージャーを用いてこれらのサイクルをモデル化し、蓄熱サイクルは熱供給用復水器の有無での違いを検証しました。 さらに、夏季運転、産業用熱供給と復水器供給(高圧凝縮を含む)の異なる組み合わせによる運転シナリオをモデル化しました。 各シナリオにおける蒸気タービンのトリップを模擬し、各ポンプの最小流量、最大流量、ポンプトリップのシナリオについても解析されました。
設計アラートを用いて、全ての配管において流量が最大質量流量および速度制限値を下回ることが保証されました。 これらの限界値は、システム内の異なる領域における配管サイズごとに異なっていました。 Fathom のシミュレーションによって配管サイズを検証し、ポンプ、制御弁、熱交換器を適切なサイズにすることができました。