原薬製造の生産性を改善

プロセス: 不均一系(二相)反応による原薬製造

課題: 長い運転時間、再現性が低い

目的: 効率と再現性の向上および運転時間の低減

従来のアプローチ: 数度の運転を繰り返した後に機器の課題が明らかとなりますが、反応時間が長く結果の再現が困難でした。

VisiMix で得られた知見: この反応器の操作は VisiMix のシミュレーションと QbD(品質設計) の実践を組み合わせて評価されました。VisiMix の結果である反応器の流れ場の特性から、実際の kLa が必要とされている程度よりも低くなっていることが予測され、これが結果として長い反応時間と不要な反応を引き起こしていました。すなわち、この製造反応について現行の装置は不適切でした。

VisiMix による解決: 2 つの新しい装置案が VisiMix のシミュレーションにより検討されました。結果として、2 枚のバッフルを追加することで安定に反応させ、製造反応の時間を 25 ~ 50 時間から 9 時間に低減できました。

結果: このプロセスの分析と解決策の発見に要した時間は 2 週間です。その結果として、反応時間の再現性が得られ、製造工程 1 バッチ当たり約 20 時間を削減し、結果として年間の運転コストが大幅に削減できました。

技術メモ

良好な混合を示す試験機の VisiMix シミュレーション結果を基に、2 つの新しい構成を比較し、より良い結果の方が採択されました。以下の表は試験機と量産機の主な VisiMix パラメータです:


5 回行った試験機の結果: T = 20 ~ 30 [℃]、反応時間 = 23 ~ 50 [hr]、歩留り = 97 ~ 98 %

R4504-1 の試験の結果:  T = 20 ~ 25 [℃]、反応時間 = 11 [hr]、 歩留り = 97 ~ 98 %

R4504-3 の試験の結果: R4504-1 の結果と類似、しかし、反応時間 = 9 [hr]